ほんの少しのきっかけが大切!

加藤 敦志 講師一覧


もう6月の声が聞こえました。
今年も折り返し点が間近です。

私の家の畑、田んぼや小高い山々の緑が深く青々
(というより新緑)が目にまぶしい季節です。
皆さまのところでは如何でしょうか。
(この数日は真夏日並の暑さでした、、、)

この前もお話したとおり、先月ゴールデンウィークに
長野県篠ノ井高校が主催する高校生(女子)の合宿に
参加して来ました。今週もその話題を引き続き
お話して行きます。

バレーボールプレーヤーの問題は、コートの中でのみ
解決できる!

ある群馬のチームのリベロがチーム的な悩みを抱えて、
コートの中に入れなくなっていました。との監督の
先生からの相談を受けました。そして、アドバイスを
請け負ったのです。

監督さんに聞くところによるとサーブレシーブが
ネット越しになってしまって、落ち込んでいるとのこと。
関東大会の地区予選を控えて、チームの守備の中心に
なっていると思われるこのAさん。お話して見つめた
表情は衰弱している感じ。しかしちらっと見せる
眼の底から見えるしっかりとした責任感が
彼女の強さを感じさせました。

サーブレシーブについて、どうにかしたいとの気持ちが
伝わってきました。本人からすれば八方ふさがり、
自らのやろうとする気持ち、責任感、周りからの期待、
批判の声、試合に対する不安などが入り混じって、
結果動けなくなってしまったようです。

「今どうなっちゃってる?」「どうしようとしている?」
まずこの質問を投げかけて、しゃべってもらえるまで待ちました。
長い沈黙の後ポツリと、「サーブレシーブが上手く行かない、、」と。

「どうしたいのかな?」
「私はリベロでチームが上手くいくように貢献したいのですが、、、」
とこの言葉を言ってくれました。

そうです、理想の自分像が現実とあまりかけ離れてしまっている
ギャップがストレスになっていました。そこで、埋める具体的で
すぐに実行可能なアドバイスが必要だと思ったのです。

ボールの下を覗き込めるように姿勢を低くしましょう。
ボールに触れたら、下の面を押し出すように(擦って)
スライススピン(逆回転)をかけましょう。

そうすることにより、ネット方向に飛来する(セッターの方向)
ボールの軌道が戻るように動くので、ネット越えをすることを
抑えられると説明しました。

やった練習は簡単です。4mくらいの位置から私が簡単なボールを
放り投げてそれを説明したとおりのやり方で、逆スピンをかけて
私に返球するというものです。

悩んで落ち込んでいる選手に難しい練習を課して、
できないことを更に付け加えるようなことはこの場合絶対厳禁です。
少しでも立ち直るきっかけになるような、気付きを促しつつ、
なるほどと納得できるものに限らなければなりません。

やること5分、そうそれでいい、これをあいているスペースを
使って練習して欲しいとつげ、先の言葉をかけました。
なんとその選手の顔つきが変わりました。1人で壁に向かって
ボールを投げてその練習を始めました。その後、心配をしていた
監督さんがボールを投げて続けて、程なく次のセットには
コートに立って、プレーを再開しました。本当によかった。

そうなんです、私たちの問題の解決場所はコート以外には
ないのです。逃げていては問題を先延ばしするばかり。
そのことを素直に受け入れ、実践したその選手の心意気、
まじめさやバレーボールに対する情熱それを支援する
監督スタッフの存在、全てが素晴らしい。

とても感動した出来事でした。
君のバレーボール人生に幸あれ!

次回に続く。

【編集後記】

元ユニチカ監督、全日本女子の監督を務められた小島孝司さんが
5/27にお亡くなりになりました。また、バレーボール界の
生き字引の方の訃報。

この方の守備の理論は世界のスタンダードになっています。
「どんなボールでも拾える」「高い目低い手」(著書の題名)
などの明言を残されています。

この守備の手法は今でも私たちのバイブルに近い存在です。
それというのもこの理論をアメリカに伝わり、それが
リニューアルされて発信されていることに驚きと
感心をしてしまいます。

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