全日本男子への応援歌No1. 「Play hard, play smart」!

加藤 敦志 講師一覧


台風18号が日本列島に上陸。
大変な傷跡を残して行きました。
被害に遭われた読者の方々におかれましては、
心よりお見舞いを申し上げます。

私も災害列島日本に住んでいるという自覚は
常に持っていたいと思います。

今週もよろしくお付き合い下さい。

【今回のトピックス】

先々週より「あっと驚く情報共有シリーズ」と銘打って、
今年の日本体育協会/日本バレーボール協会
上級コーチ講習の情報を随時お伝えするはずですが、
今なりのホットな話題をまずはお送りすることにして、
今週も変更版で進めさせて頂きます。ご了解下さい。

◎【再考】スポーツ各種目で体罰の実態が顕在化。

以前このテーマで「体罰」「しごき」など今のスポーツ界、
バレーボール界にて是正されるべきものの改善気運を
鼓舞のために、様々な角度からお話をさせてもらいました。

しかし、本当にこの後に及んでもまだまだ、根絶には
至っていない事実があります。とても悲しい
気持ちになります。先日、

「ある高校男子バレー部の体罰の現場動画の
インターネット投稿」

という情報を得たので、早速チェックしてみると、
本当に存在していました、びっくりです。
それもこの問題が大きく取り沙汰されてから
以降に起こっているのです。

皆さん信じられますか?

「まだまだやってるんじゃないかな?」
この夏にある県に伺った時の高校女子の監督さんから
聞いた言葉です。その話題の主は、当県で有数の強豪校、
以前から体罰指導が周囲の問題になっていたところです。

今では、これらの反社会的行為に見なされるこの状況に至って、
私が「今はどうなってますか?」との質問の答えが
これだったのです。

これもまた驚きの何物でもありません、、、。

最近では、柔道の強いとある有名大学での学生同士での
「しごき」の実態もニュースになったばかりです。
暗澹たる気持ちにならざるを得ません。

私はこの頃、指導者講習会に招かれると、
いつも自分の失敗談を語り、私のような悪い指導者にならず、
健全なコーチになって欲しいと訴えています。

その時に言い続けていること。それは、
「熱くなり過ぎない。一歩引いて観てみる。
その場から離れる。」

指導が上手く入らない、気合いを入れたい、
反抗的な態度の選手がいるから何とかしなければ
等々、指導者・コーチ業はストレスの連続です。

本当に大変なことはよく理解できます。でも、
まず自分の(冷静さの)一線(我慢の閾値とでも
いいましょうか)が越えそうになったときに、まず

「熱くなり過ぎない」と心で叫ぶ。
そして冷静になる。それが駄目なら、

「一歩引いて観る」。その怒りの対象となっている人、
場所(物理的、心理的)から離れて、見るのではなく、
観る(第三者的に観察する)ようにする。

それがだめなら
「その場から離れる」その状況から身を遠ざける。
その場から脱出するのです。人、場所に時間を加えて
自分を隔離する。それは負けを意味するのではありません。
一時退避するのです。次ぎを目指すための大いなる
撤退であり、勇気ある行動のことです。

その後、冷静に戻れたと判断できたなら、遠目から
観察しつつ、その日は、一言だけ添えて、その時間を
終えることを勧めています。

「感情と感情のぶつかり合いになると言葉が通らない。
だから一旦間をおいて、自分の頭に冷静さが戻ってきたら、
生徒に接する」

「試合で負けた時には、集合(ミーティング)は絶対行わない。
2、3日たって、選手も自分も客観的に敗戦が捉えられたときに
話合うようにしている」

名立たる名監督といわれる方々の深い示唆を
どうかご理解貰えないでしょうか。

本日付けのニュースでは、この当事者の方は、
周囲より監督業を慰留をされているとの由。

断定はできませんが、「体罰」を容認する空気が周囲にも
あったように思えてなりません。インターネット上に
動画が投稿された後に問題になったことを考えてみても。

やはり根絶に必要なのは、当事者だけでなく取り巻く
周囲にも「NO」と言える強さが必要と感じます。

2020年日本、東京でオリンピックが行われます。
スポーツの先進国だと、胸を張って言える
日本のスポーツに変えて行きましょう、
お互いに努力し合って!

◎全日本男子への応援歌No1

今年の5月にこのような記事を載せました。
『昨日のNHK総合の「ニュースウォッチ9」の
スポーツコーナーにて、新しく外国人監督:
ゲーリー・サトウ氏が指揮執ることになった
全日本男子の報道をしていました。

私は、これを観て、「これはなかなか」と感じ入りました。
「Play hard, play smart」<<中略>>
「激しくかつ、そして、頭を使ってプレイする」。
このように訳されるゲーリー氏のキーコンセプトは、
こう意訳できます。

「力強くだけではなく、時と場合に応じて、
変化を加えてプレイする」。

もっと類推を働かせますと、
「体格で諸外国に引けをとる日本は、気合い(激しく)と
機転を利かせた(頭脳)プレイで対抗する」となるでしょう。

この部分で日本のチームはまだまだ成長できると
断言していました。これは面白い着眼点です。
どちらかというとこの分野では、海外勢の高さと
パワーには通用しない、戦術が尽きている
感があります。

多分、彼の視点、観点が違っているのでしょう。
どんなふうになって行くのか興味が尽きません。

「あまり勝ちばかりを追い求めると、
チームの方向性が見えなくなる」

そして、チーム作りの時間軸についても語っていて、
「課題を順次クリアしていくこと」を重要視している
とも述べていました。

これは、長期戦略眼的な見かたであり、
リオ五輪までの計画が出来ていて、それを達成する
ために今は何をすべきか?ということを明確に
しているということと見ました。』

先週、世界選手権のアジア予選で韓国に敗れ、
代表権を取れなかった全日本男子。しかし、
この監督の意向を見返すと今は単なるその旅程、
道程のひとつなのではないかという気がしています。

目的地は先にある。それが証拠に、周囲は落胆の
色をよそに、監督は敗戦にも淡々としていたように
思います。

また、当方の記事の続きですが、
『ピーキング(パフォーマンスの頂点)を基軸に
チーム計画を進める。

アメリカのチームはオリンピックを最大のピークとして、
4年計画を立てている節があります。そのゴールを目指して、
具体的な今のアクションを決定していくやり方で、
非常に合理的な方法を取ります。

ですから、言葉は悪いですが、「捨てゲーム」が存在します。
<<中略>> この長期戦略は我慢必要です。すぐに結果に
こだわる日本人気質(商業ベース)に沿うかどうか。

せっかく史上初の外国人監督を招聘したわけですから、
存分にその知識、力を生かしてもらいたいです。
成績が出ないからといって横やりをはさんだり、
監督の首をすげ替えたりしないでもらいたいです。

「自分のコーチングに自信がある」。
こう言い放つゲーリー・サトウ監督、なかなかのやり手と
思いました。これから男子にも目が離せなくなりました』

世界選手権のアジア予選のときのゲーリー監督の平然さで、
やはり上の5月のコメントへの想いを強くしました。

ある関係者から聞いた話では、現在、全日本男子は、
攻撃を中心に練習を進めているとのこと。なるほど、
世界で通用する攻撃力を育てることに焦点を当てていれば、
おのずとレセプション含めた守備はおろそかになる。

そうすれば、かの韓国戦のような状態にもなり得ります。
(バレーボールの3段攻撃の1は、レセプションであり、
ディグであり、パスなのですから。) そこを詰めるのは
もっと違う場面でもやれるとの判断なのでしょうね。

今は世界の壁(ブロックそしてディフェンスシステム)に
対抗できる素材を探しているのだと考えられます。
そちらの方が時間はかかりますから。

私はこう思います。
「彼はやってくれる」。但し、「待つ必要がある」。

もともと昨年のロンドン五輪の出場を逸している男子ですから、
もともと0からのスタートを切ったわけです。そこから見れば
カムバックした選手や新戦力が加わり、ゲーリーイズムも
感じることができたこの試合、新しい流れが出てきています。
これは、プラス得点です。

問題は、「どこで勝つか」です。

読者の皆さんと今後を楽しむことができて私は幸せだと
感じています。もう少し待ってみましょう。

「Play hard, play smart」!

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