急ぎお伝えしたい「セッターのステップ」について
皆さん、元気にバレーボールにトライされてますでしょうか。
さて、今回は、
読者様よりお寄せいただいた質問にお答えしたいと思います。
> 「セッターのフットワーク実践に結びつく効果的な練習方法が
> ありましたら教えてください」。
このようなご質問を頂きました。
私のメルマガに興味をもってもらい感謝します。
とてもバレーボールの大事な部分のご質問です。
なぜならセッターの役割はチームの中で非常に重要です。
Setterという英語の綴りを思い出して下さい。Setの意味は、
日本語にも日常的に使われるように、何かをセットする、
セッティングする、のように、その後の動作・行動が
うまく行くように「状況を整える」、とか
「装置をうまく据え付ける」とかの意味合いになります。
それにerをつけて、状況を整え、うまく準備する人という
意味になりますね。
バレーの場面で考えると、サーブレシーブやディグ
(相手の攻撃に対してのレシーブ)で上がって来るボールを、
次の攻撃者(アタッカー)に、相手に有効に攻撃するための
ボールを送ることで、お膳立てをする役割です。この役割の、
ゲームの成功における重要度は、非常に高いです。
今年ロンドン五輪で女子チームが銅メダルを取った要因の一つに
竹下という優秀なセッターがいたことは、紛れもない事実だと
皆さんもそうお考えと思います。
セッターとはそれほど重要なポジションです。
そこで、ご質問の回答となりますが、
この1回の返信で書ききれないほどの練習方法が考えられます。
そして、もっと詳しく状況を教えてもらえるとぐっと有益な
回答が出来るとおもいますが、今回はセッターのフットワーク
についてお話します。
まずは、セッターの基本の動きを分解します。
1.自分のポジションからセットアップする、
ネット際のトスをあげる位置に行く。
2.サーブレシーブやディグのボールの位置を判断して、
移動する。(※Aキャッチの場合は、移動せずにボールを待つ)
※セッターがほぼ移動せずにトスを上げられるパスの事。
3.味方アタッカーと相手のブロッカーの状況を観る、
(もしくは感じて)察知する。
4.ボールを正しい位置でコンタクト(接球:ボールに触れる。)
と同時にどのアタッカーにボールを送るかを瞬時に判断し、決断する。
5.送球先のアタッカーに正しいコントロールで、
タイミングの良いボールを送球する。
6.送球後に、相手ブロッカーの枚数を確認しながら、アタッカーに
その時のアタッカーに有利な情報を発信する。
「(相手ブロックは)1枚でクロス」とか「2枚、リバウンド」とか。
7.アタックカバーに向かう。
(日本ではブロックカバーと言っています。)
以上のような動き、流れとなるでしょう。
そこで、このご質問では、2、3の部分のフットワークと判断して、
話を進めます。
基本は2ステップ。
米国では、セッターのステップを2ステップ、と4ステップに分類している
節があります。(ノーステップでジャンプトスになった場合はこの限りでは
ありません。)この考え方が非常に分かりやすいのでここで紹介したいと
思います。
(1)足→(2)右足→(継ぎ足で(3)左足もある)でボールに接球して、
ボールをアタッカーに送球する。
(1)のステップで飛来するボールにアプローチ(接近)する。
(2)のステップで落下地点に潜り込み、動きを止める。
そして、ボールを送球する場所の狙いを定める。
という各ステップの役割があります。
また、(1)の前に、ボールがサーブレシーブなどから返球される瞬間
=味方レシーバーやディガーがボールをコンタクト(接球)した瞬間に、
ちょん蹴り(その場のステップ、テニスで言うスプリットステップ:
あくまでもその場で、前進はしません。)を踏んで素早く動ける準備を
することもあります。
まとめると、
(0.ちょん蹴り)任意
(1)アプローチ(ボールへ接近する)ステップ
(2)静止&トスを上げる方向付けステップ
と3種類のステップを実行することになります。
それも返球時間が1秒以内~2秒くらいで飛来してきますので、
その時間で(0)~(2)までを完了しなくてはなりません。
時間のロスがない移動が必要になります。
よって、あまり脚を大きく上げて移動すると(もも上げの状態)余計な
時間がかかることになります。上体も上下動しますので、しっかりと
ボールを視野に納めることが困難となります。
(写真で言うとピンボケ状態になるとでも言いましょうか。)
(4ステップは移動距離が3メートル以上になった時に使います。)
私の考えは、すり足気味に素早く(1)を行う。そして、(2)は
踵を重心にして止まるとなります。そして、
(1)正確に行う
(2)素早く行う
ための練習をする。
それにより安定して、かつアタッカーがその能力を十分に生かせる
トスをあげるというセッターの役目を果たすことになると考えます。
(1)の具体的な練習方法:すばやく動く正確な動作の習得のため
ボールを使わずに2ステップを反復する。まずは進行方向をネットに
直角方向(90度)に。(忘れずにトスを上げる姿勢作り、
それからボールコンタクト、膝を伸ばしてフォロースルーする動作も
入れて下さい。)
その後、0度(ネットに平行に前進)45度、90度、135度、
180度(ネットに平行に後進)の各方向に2ステップで移動する。
この動きをプレイヤーきちんと身につけてもらいます。
(2)の具体的な練習方法:すばやく動くための体力強化のため
アジリティ(敏捷性)のトレーニングを実施します。
短い距離をスプリントしたり、様々なステップを踏みながら、
方向を変えたりするドリルです。よくバスケットボールや
アメフトなどで見られるものです。
おすすめは、体育館の床に10センチほどのラインテープを
任意に貼り付け(凹凸のないもので、足で踏んでも滑らず、
やぶけないものあれば何でも構いません)、番号をつけて、
番号の順番に足で踏んでいくというものです。
あまりテープ同士の距離があいていてもいけませんので、
80~30センチの間隔がいいと思います。はじめのうちは
2列の線上にほぼ並べるにするとよいでしょう。
始めは右のテープは右足、左は左足で踏んでいきます。
次に右のテープを左足で、と逆方向にします。
皆さんよくご存じのラダードリルの変形と考えてもらって
良いでしょう。(格安で出来ます。「笑い」)。
ボールの落下地点に素早く潜り込むことが重要。
とにかくセッターの必要要件について、これは私の持論ですが、
第一にサーブレシーブやディグの返球ボールの落下地点に
いち早く潜り込める、(もしくはネット上方にボールが
上がった場合についても同様)能力:敏捷性、判断力が
とても大切に思います。
そして第二に、ハンドリングなどのボールを正確にアタッカーに
送る技術と考えます。(長身長者であれ、低身長者であれ)。
私の説明を理解していただけますでしょうか。
大変、舌足らずで申し訳ありません。
実際に皆様の前で実演できればいいのですが、、、
※何らかの形:DVDを作成するなり、講習会を開催するなり、
ビジュアルに、そして実際のコーチングをすることを、
今後の課題とさせてもらいます。
イメージがつきにくいようでしたら、またご連絡下さい。
今回のこの号外が、指導されているプレイヤーの皆様、
生徒さんたちに、少しでもお役に立てれば幸いです。
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