スパイクの踏み込みについて

加藤 敦志 講師一覧


こんにちは!

前号で、(スパイク・アタック)の助走について説明をして来ました。
今回はご質問の本題「踏み込み」についてお話します。
※項目順に、<< >>の中に示します。

スパイクの一連の動作(復唱を兼ねて):
1.助走

2.踏み込み
(助走を止めて、ジャンプするまで)

3.テイクオフ
(跳び上がって、4.に行くまでの過程)

4.サスペンション
(跳び上がってから下降に転じる点、空中に吊下がって、
ボールを打つ直前)

5.ボールコンタクト
(ボールを打つ動き)

6.フォロースルー
(5、以後の空中動作)

7.着地:ランディング
(一連の動作の完了)

2.「踏み込み」について
実はこの部分は、前に説明した1.「助走」の最終ステップと
ほぼ同義となります。要は、助走からアプローチした場合には、
「最終ステップ」となり、次なる動作のテイクオフ(跳び上がり)
から見ると、ジャンプのための「踏み込み」となるわけです。

スパイク助走の「最終ステップ」(復唱を兼ねて)
(1)下半身(足の動き)
2ステップ(右・左:主に右利き、左・右:主に左利き)、
1ステップ(両足)

(2)上半身
1.目線、頭の動き
2.スイング(腕の動き)
両手スイング、交互スイング

ここでは、特に注意する点をピックアップしてみます。
(1)下半身

1.腰、股関節、膝、足首の関節の角度
<<腰=股関節、膝、足首の関節の角度が適切であるかどうか。
持論ですが、ウエートトレーニングのスクワット
(バーベル等の重量付き)を行った時に最大の筋力が出せる姿勢、
その重りを上方向に動かせる、最大の股・膝・足関節の角度を
確保するべきと考えます。

その関節の曲げ:屈曲角度から、筋肉が伸展する力を最大にすること。
各関節をバランスよく働かせるには、その角度は深すぎず、浅すぎず、
プレイヤーが違和感なく跳べる=テイクオフ=ジャンプできるところと
なるでしょう。

これは一定の定理はあっても、多少の個人差があると考えます。>>

2.足の裏の接地
「助走」のステップの歩数によって、その助走方向(前方向)
スピードとパワーを最終ステップで上方向に変換する動作が必要です。
つまり、最終ステップが2ステップの場合は、1歩目が踵接地、
2歩目は踵軽接地もしくは、足裏接地。1ステップの場合は、
両足で踵接地(あまり極端な踵立ち状態だとバランスを崩しますが…)
で、助走のパワーを上方に跳び上がる「テイクオフ」の力に転換します。

この時に足関節の曲げ、伸ばし(屈曲・伸展)=ふくらはぎ、
むこうずねの筋肉(腓腹筋、前脛骨筋)の強い力が必要になります。
(ウエートトレーニングのカールレイズ・トウレイズで鍛えます。)

助走の種類(3歩、2歩、1歩、スタンディング=助走無し)によって
そのスピードとパワーも変化します。一般的には、3歩>2歩>1歩の
力加減となるでしょう。(スタンディングジャンプの場合は、
助走からの影響は受けません。)

3.つま先の向き
<<最終ステップの最後の足、2ステップ(右・左)のプレイヤー:
大体が右利きプレイヤー、なら左足つま先が、ネット方向に
向いていないこと。(フロント:フォワードの攻撃の場合)つま先が
ネット方向に向いていると、どうしてもテイクオフが上方に向わず、
前方向に行くことが多いため、ジャンプがブロード=幅跳びします。

これは、ネットタッチやパッシングセンターラインの反則を
犯してしまうことになります。また、相手コートに侵入するために、
相手ブロッカーの足を踏み、足首のねん挫、骨折等を起こしてしまう
危険もあります。

※但し、バックアタックの場合は別で、ブロードジャンプ(テイクオフ)
がスパイクに有効に働きますので、バックアタックを打つプレイヤーの
前に自チームのプレイヤーがいない場合は、そのつま先をネットに向けて
跳ぶことも一つの有効な手段となります。
(これはまた別の機会にお話します。)>>

(2)上半身
1.目線、頭の動き
<<目線はボールに対して、やや上目づかい、ボールと相手の状況
(特にブロッカー)が判る:うっすら確認できる範囲に落ちつける
べきでしょう。顎を上げてボールだけを直視することは、敵の情報を
得られないデメリットがあります。また、頭の動きはなるべく
少なくした方が、バランスを保つために良いでしょう。

但し、踏み切って、テイクオフに入る時には、頭から持ち上がる
感じを持つこと。重量のある頭が上がることで、それより他の身体が
浮きやすくなる感覚が得られるからです。その観点から言うと、
首関節を曲げ伸ばしする力を利用しても良いかと思います。
顎を締めた状態から、瞬時に、少し上げる感じでしょうか。>>

2.スイング(腕の動き)
<<助走の最終ステップで身体の後方に持っていった両腕
(テイクバックの状態)を、足の踏み込み動作と同時に身体前方に
下から上にスイングして、その後、ボールの落下地点(詳細に言うと、
次の動作のサスペンション→ボールコンタクトでボールをヒットする
空中の位置)に向って両腕を放り出す感じで、体側(身体のそば)を
こするように振り上げます。ここでのポイントはそのスイングの力が
最大限にジャンプにつながるようにすることです。

たまに身体の体側より外側でスイングをする:脇と腕の間が
空いた状態、プレイヤーを見かけますが、身体を上空に引き上げる
力・パワーが分散されてしまいます。>>

以上の点を注意して下さい。
※なかなか文章では説明しきれませんね。

動画解説はコチラ
http://rs39.net/c/v/cvmn_1/bl/

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