緊急提言 サッカーワールドカップに学ぶ

加藤 敦志 講師一覧


梅雨らしい雨ではないんですよね、このところの雨は。
雷と突風そしてスコールのような激しい雨。
二日続きで東京はそのような天候でした。

地球温暖化の影響が頭をよぎります。
大丈夫かな~。
あなた様は如何お過ごしでしょうか?

◎バレーボールに応用できることとは!
サッカーのワールドカップ、日本代表とても残念でしたね。
3戦1分2敗の結果。決勝トーナメントに進めませんでした。
あなたさんはどういう感想をお持ちでしょうか?

私も一生懸命3戦とも応援しましたが、ファンとしては、
ただただ残念、

前評判が良かっただけに、どうして?の疑問が第3戦が終わって
12時間以上経ってからもその思いに駆られます。

しかし反面、選手たちの奮闘に拍手を送りたいとも。
長い、長い予選を戦い抜いき、様々な感動をもらった
「ザックJAPAN」に敬意を表したいですね。

そうです、今回は残念だったけど、それまでのプロセスには
拍手喝采したいのです。あるタブロイド新聞では「ぶざまな負け」
「戦犯は5人」とかの見出しを付けていましたが、私は選手に
失礼ですし、品位がないと思います。

それでは本日の本題、このサッカーワールドカップブラジル大会の
日本代表のプレー振りを振り返り、バレーボールに応用できる
ことがないかを見てみます。

1、大会に入る準備について
2、戦術を変えること
3、強いという証について
今回考えさせられましたこの3つについて書いてみますね。
(今回字数が許さなければ次回にも回したいと思います!)

1、大会に入る準備について

私の記憶の限りでは、大会前の親善試合は勝利で
終わっていたはずです。中には逆転勝ちもあり、

マスコミでは
「史上最強のチーム」「今までにない力強さ」などの声が
多く聞かれたように思います。あるTVのインタビューで
2002年日韓大会の監督だったフィリップ・トルシエ氏に
いたっては日本が決勝トーナメントに進む確率は100%
との太鼓判を押していました。

そうです、大会前の空気を読むと、「日本、行けるぞ」の
ムードが漂っていたように思います。

さて4年前南アフリカ大会で岡田JAPANのときを
思い起こして下さい。

あの時は今回と全く逆の状況だったように思います。
直前の親善試合で全敗、マスコミにはこれでは勝てない、
の大合唱を受けていました。「日本、大丈夫か」の
陰湿なムードに包まれていたように思います。

で、この2つの結果を比べてみると前回は決勝トーナメントに
進みベスト16、今回は予選敗退。この現象何でしょう??

不肖、専門家の立場からモノを言わせていただくとすると、
今回の方が危うい状況で本番を迎えたと言わざるを得ません。
そうなのです好調はずっとは続かないのです。
(一概に4年前の状況、場所、相手、チームの構成メンバー
などの変数がありますので、単純に比べることはできませんが、、、)

私は、バレーボールの試合でもよくそのような現象を
見てきた経験からそう思っているふしがあります。

試合2週間前、1週間前の心体の持って行きかた(準備)は
非常に心を配らなければならないところだということは
間違いないと思います。

私はこう思うのですが、
一度は調子の波を落とす部分を作った方がいいのです。

これは指導者、コーチとしては非常に嫌なこと。
やはり試合に向けては好調のままでやり過ごしたいという
気持ちが先走ります。当たり前ですが、試合前には不安材料は
なるべく消しておきたいという心理も働きます。

ですから今以下にはしたくないとの思いから平穏無事に
試合を迎えられるように無難に準備をしてしまいがちなのです。
(もしくは不安に苛まれて試合前でも長時間練習をしたりします。)

直前の練習試合(例えば1、2週間前当たり)の結果が良いと
もうそこからその調子を維持しようとしてしまいます。

超回復理論をご存知でしょうか?
これは運動生理学で言われていることですが、大きな負荷を
かけた運動をして体力的に落ち込ますと、(疲労などが)
回復した時に以前の水準より高まるというものです。

特に筋力についての大原則があります。
筋力の増大=パフォーマンスの向上とは一概に言えませんが、
パワー系のスポーツにおいては当てはまるのではないでしょうか。
試合の前に体力的に一度落とし込むことも超回復を呼び込むために
必要となるのです。

また精神的、メンタル面でもその体力のリズムに比例すると
考えられます。(これを日本語では心身一如と言います!?)

その中の自信という面でもやはり本番前に少し自信を無くす
くらいのほうが返って反発力を産む気がします。

その理由は、「守った時ほど弱いことはない」からです。
野球の九回二死からの逆転は相手にされることよりも自ら逆転の要素、
きっかけを作ってしまうことが多々あります。「功名の木のぼり」
という最後の詰めを誤ってしまい失敗、敗戦してしまうケース、
よく見かけませんか?

勝ちが近づいたときこそ危険が大きいのです。
相撲で横綱目前大関が勝負のかかった場所で、期待を大きくはずして、
負け越し近くまで星を落とすなどもこの部類に入ります。

周囲からの期待が過大なプレッシャーとなって自らを窮地に
追い込んでしまう。本当によくあることです。受け身に立つと
良いことはありません。ですから、

一か八か思い切ってやってやる、の積極的な思考に至るように
なればいいのです。

さてサッカーのブラジル大会での日本代表の戦い方に再スポットを
当てると、直前の親善試合を良い形で乗り切れた+国民、
報道も楽観的=勝たねばならない⇒自らプレッシャーをかけてしまった。
との悪循環に陥ります。

今回第1戦のコートジボアール戦では本田選手のゴールで
1点をリードした時間帯が前半の速い時期だっただけに、
余計に守ろうとする心理が働くことは問題ありません。

そうです勝てるぞ→守りきろうとの思いが一段と大きくなって、
あまり攻撃しないようになってしまった。
「もっとシンプルに攻撃した方がよい」「攻撃的な自らのスタイル」
を自ら封印してしまったようですね。

第1戦のコートジボワール戦の最初の1点が相手に入っていれば、
また違った状況がでてくるのだと思います。すごく悔しいです!

如何でしょうか、大会に入る前の準備について私論を述べてみました。
(次回に続く)

【編集後記】

全日本男子南部ジャパンがワールドリーグで10連敗と
苦しい船出となっています。選手が召集されチームの
本格的な活動に入ったのが5月半ば。

それを考えると準備が足らないとの見方もできますし、
情状酌量の余地ありと言えると思います。

あと2試合を残すのみですが、このリーグにて海外、
国内と渡り歩いた経験が必ず生きるものと確信しています。
ですから、目先のことにこだわらず、大きくチームを
育ててほしいと願うばかりです。

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