Vプレミア男子初優勝JTの強さ!&「冬の講習会―福島白河編」閑話休題

加藤 敦志 講師一覧


春です。しかし天気が悪いですね。
桜が終わって何が来た?先週は週明けから3日間
雨、雨、雨でした。雨困りますね。私は通勤に
JRを使っています。最寄駅まで自転車で10分程度。
その間にずぶ濡れ状態は絶対避けたい。

でもそうなったときはどうするか?
仕方ないのでレインコート的な服を引っ掛け、あとは帽子。
それもキャップではなくてハット(野球帽ではなくて
つばが周りについているやつ)これで顔にかかる雨を
よける作戦です。どうでしょうか?

自然との闘いにどう勝利するか?
(そんな大げさなもの??頭の使いようで
スポーツでも私生活でも巧拙が生まれるようです。
しかし、梅雨状態ですね、、、)

◎初優勝JTの強さ、その戦略・戦術
先週お約束したVプレミアリーグを制したJTの強さ。
1、徹底したサーブ戦術

リスクをわざと取った戦術。
徹底したリベロ狙いのサーブ。

優勝を決めるこのゲームで思い切った作戦に出たと思います。
言わずもがなリベロというポジションは守護神
(ディグ:相手の攻撃に対するディフェンス、レセプション
(サーブレシーブ)において)。他の選手より絶対上手いはず。
そして、通常、サーブは上手いリベロを狙わない作戦を取りますが、
この日のJTは逆の攻めに転じました。

そうです、その守護神を崩すことによって、サントリー、
(守りの)精神的な支えを崩し、チーム全体の士気を減じて
しまおうという作戦です。

結果はこの作戦当りました。
通常はサーブレシーブの上手い選手でも重圧のかかる
優勝決定戦であり、そしてどんどんサーブを集められる
二重のダブルプレッシャーの中でのレセプション
(サーブレシーブ)は返球の精度に狂いを生じさせて
いたようです。

それが証拠に、サントリーのBキャッチが多かった。
このBキャッチといのはいいような悪いような返球で、
セッターが最適地(Aキャッチの場所)から移動することで、
クイックスパイク等テンポの速いトスやそれを絡めた
コンビネーションの狂いを生じさせてしまいます。

返してJTの方は1セット目のあのすごいデュースに
なってからもクイックスパイクで相手のセットポイントを
ブレークしました。それは、Aキャッチが多かったからに
他なりません。

普通ならクイックで攻め返すリスク(セッターとアタッカーの
トスの息が合わない状態)を避けるために、どちらかというと
サイドにトスを送ってエース(オポジット)にボールを回すのが
一般的です。

しかしながらそのリスクを認識しつつも、その戦術に徹したことが
今回の勝因の一つ。下手すれば返り討ちに合うわけですから。
(レセプション(サーブレシーブ)の相手チームの名手に
サーブを取ってもらうのですから。)あえてリスクを買って、
大きなリターン(見返り)を狙った大胆な作戦が功を奏した
形になりました。

※レセプション(サーブレシーブ)の返球の精度によって
A・B・C・Dのランク付けをするのですが、この日サントリーは
Bキャッチが多かった。これはセッターを正ポジション
(セットアップの位置)から周囲1mくらい動かしてしまう
返球の状態を言います。

2、ユニークな攻撃パターン
:パイプのタンデム(高速バックアタックコンビネーション)
これは世界に通用する攻撃パターンと思いました。すごい!

来週に続けます。

※タンデム=tandem
(直列の、縦に並んだ、二者の提携、連携、協力)の意味

レセプション(サーブレシーブ)についてのご質問に-

1メン作りはどれくらい重要か?
さて、皆さんはメン食いですか?
ラーメン、ソーメンはたまた美女は如何です!
ちょっとふざけが過ぎました。しかし、しかし、レセプション
(サーブレシーブ)はメン(面)が決まっていないと
上手くいきません。メン食いかそうでないかは大きな問題となります。

メン=面=ボールの接触面=プラットフォーム、
要するにアンダーバスの体勢を取り、相手から打たれたサーブ
(ボール)を味方セッターに向けて(ボレー動作で)返球する
ためには、そのメンを適正な位置、形状にしなければなりません。
ですからメン作りは非常に大切なものです。

それからその理想的なメンを動いて飛来するボールにアジャスト
=正しく動いて調整、対応しなくてはなりません。

これが移動の問題。また、いくら理想的なメンを作り、それを
適正に移動させても、受けるボールの力(パワー)が強い時には、
メンと接触した瞬間にその力でメンが理想的なものでなくなる
=崩れる可能性もあります。

その力(パワー)、衝撃を受け止める対抗する力が必要になります。
その観点から、膝と膝の間(両腕の前後のブレを最小限に抑えられる位置)
で(ボールを)取る=コンタクトするという、地面に接した身体、
正確にいうと地面から受ける力を構えている足を通して腕
=メンに伝えてその衝撃に耐えるようにするのです。

メン作りはレセプション(サーブレシーブ)の最重要に類するものです。
ボールをコントロールする瞬時の局面(インターフェイス)ですから、
一生懸命にそれより前の動きを正確に積み重ねて来ても、ここが狂うと
全て元の木阿弥で、上手く返球できなくなります。
ですからメン作りは大切という結論になります。

しかし、どこにいっても誰にとっても、レセプション
(サーブレシーブ)は、永遠の課題ですね!

【編集後記】

Vプレミアリーグが終わるとすぐに全日本シーズンが
始まりました。本当にバレーボールというのは
切れ目がなくイベントがある競技なのですね?!
ここがすごいところ。

今年はワールドカップが日本で開催されます。
この大会、来年のリオデジャネイロ五輪の出場権がかかる
いわゆる「絶対に負けられない戦い」です。

そこで全日本が出場権を獲得すれば万々歳。
もし、そう行かなかった場合にも、来年の最終予選があります。
五輪イヤーに向けて試合が目白押し。
通常の皆さんのバレーボールライフに加えて、一段と彩りを
深めることになります。乞うご期待です。

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