バレーボールの夏から秋を巡って

加藤 敦志 講師一覧


アジア大会に女子世界選手権と同じ時期に大きな
バレーボールイベントが開かれています。
私たちにとっては、興味がそそられる秋となりました。

アジア選手権は男子が2次リーグで中国に3-0で勝ち、
調子を上げてきています。次の相手は成長著しいインド、
非常に体格がよくまともに戦うとその高さとパワーに
やられてしまう、伏兵です。これを乗り越えると
先が見えてきます。

女子は1次リーグで苦杯をなめた最強韓国に挑みます。
(韓国は自国開催なので精鋭部隊をアジア大会に
出場させています。)

また、世界選手権に出場のシニア女子も1次リーグを勝ち残り、
2次リーグに進んでいます。これからは、クロアチア、ドイツ、
イタリア、ドミニカが相手。侮れない相手ばかりです。
どちらもいよいよ佳境に突入。目が離せない試合が続きます。
ガンバレ、日本!

今週もよろしくお付き合い下さい。

さて、この8月に、長野小諸で恒例の高校女子合同合宿に
参加させてもらい、そこでの出来事や気付きをお話ししています。
今週はその合宿の第2日目についてサマリーします。

この2日目の中心テーマはブロックでした。
ですからブロックとはどういうプレーなのかを説明しました。

ここで皆様に質問です。
ブロックの機能を4つ説明して下さい。そうです機能、
その働きやブロックというプレーの目的でもいいでしょう。
(これ以前にお話した記憶がありますよ!)

止める、弱める、誘い込むそして威圧する。

キーワードを4つ挙げました。読んで字の如くです。
すなわち、

1、止める:相手のスパイクを止めて、ポイントを上げる。
(この場合止めるとは相手側のコートにボールを弾き返す
ことを言います。)いわゆるシャットアウトする
というものです。

2、弱める:相手のスパイクをブロックに当てて、
その勢いを殺し、味方がディフェンス(ディグ、レシーブ)
しやすくする。ソフトブロックとも呼びます。

3、誘い込む:わざと相手のスパイカーにここだけは
止めるよと見せかけておいて、その逆をついて来た
ところに守備(ディフェンス)を配置しておく、
罠にかける方法です。

4、威圧する:ブロックはネット際の攻防です。
ですから相手スパイカーにプレッシャーを与えなければ
なりません。ブロックをする前から声、構えや振る舞いで
心理的威圧します。そしてジャンプしてからも腕を
ネット越しに相手コートにつき出すことで相手スパイカーに
物理的にも威圧をします。そうすることで相手をひるませる
効果が得られます。

皆様いかがでしょうか?

ブロックというプレーはブロックポイントした時は
別として、非常に地味で、なかなか日の目を見ない
ものだと思っています。

それを証明するのが試合中のブロックで表される数値、
決定率。(上記1、の「止める」に当てはまります。)
その決定率は1セットでせいぜい1~2本というところ
ですので、それ以外のブロックはまるで試技のようで、
無駄なに思えてしまします。しかし、1、以外の
目的があると考えるとその見方が変わります。

「止める」だけがブロックではない。

そうです2,3,4も重要視しなくてはなりません。
点数にならない効果というものもあるということです。
そして、それらをデータに残すともっとブロックの
試合に占める割合や効果率がよく理解できるようになります。
当然この4つについてそれぞれの練習方法も変わってきます。

この合宿では「4つのブロックの目的」をしっかり
頭に入れてもらってから具体的に練習に入ったのでした。
特に1~3を重点的に行いました。

次回に続けます!

【編集後記】

御嶽山の噴火で犠牲に合われた方々のご冥福をお祈り申し上げます。
被災された方々におかれましては、行楽シーズンの最中、
予兆もなく始まった本当に「予期せぬ出来事」にさぞかし驚愕し、
大変な思いをされたことと心を痛めます。

あらためて大自然の前には人間は小さいことを思い知らされます。
ささやかな抵抗かもしれません。しかし、その小さな人間が
叡智を絞って育んだスポーツという文化を慈しみ育てて、
私たちの生きる糧となれるようにもっと発展させたと
思うのでした。

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