開幕直前リオ五輪、全日本女子の実力迫る!

加藤 敦志 講師一覧


みなさん、こんばんは。
バレーボールメルマガ(メルバレ)の加藤です。

Happy again to see RIO Olympic Games!
我が全日本女子は7/22に日本を飛び立ち、現地リオ入りしました。

いよいよ、いよいよ本番まで2週間を切りました。
8/6 対韓国
8/8 対カメルーン
8/10 対ブラジル
8/12 対ロシア
8/14 対アルゼンチン
この五輪予選リーグをどう戦うのか?とても楽しみですね!

そこで、今週は、◎選考メンバーからみる展望、をお話します。

まず、メンバーを見ましょう。
セッター:田代 佳奈美、宮下 遥
ミドルブロッカー:山口 舞、荒木 絵里香、島村 春世
ウイングスパイカー:木村 沙織、石井 優希、鍋谷 友理枝
オポジット:迫田 さおり、長岡 望悠
リベロ/レシーバー:佐藤 あり紗、座安 琴希

端的に言うと、真鍋監督は伝統的な戦術の回帰に舵を切ったということになるでしょう。
ずばり、安定・守備重視の戦術を取りました。
それは自身の口からも出ていたものです。

その象徴的なこと、昨年のワールドカップで攻撃の新戦力として、鮮烈な活躍をした古賀選手が選考から外れたことです。

またミドルブロッカーの大竹選手も今年の五輪最終予選兼アジア大陸予選(OQT)から最終メンバーとして外れました。
二人とも日本では長身180cmを越える、日本では、長身選手であり、攻撃・ブロックを期待されるメンバーでした。

しかし、監督は守備的要素の強い鍋谷選手を選び、リベロ兼レシーバー(リベロ候補)の座安選手を入れました。
全てはレセプションを安定させ、伝統の速攻コンビネーション攻撃を仕掛けること、カウンターアタック(相手の攻めに対して攻め返すこと)にあたっては、徹底的にこれも伝統の粘り強い守備を展開して、反撃するといった、このメンバーから見て取れる意図、ずばり安定・守備型を優先する人事?!となりました。

◎新戦術「ハイブリッド6」はどこに行った?
2年前、真鍋監督は新戦術として「ハイブリッド6」を考案しました。
それは、スパイカーのオポジションを明確にせず、どこからでも攻撃を仕掛けるシンクロ(同調、同時多発?)攻撃を仕掛けて相手のブロックを翻弄するというやり方です。
ですから時にはミドルブロッカーがコート上にいない場面を作り出しもしました。
このやり方は、かなりセンセーショナルなものだったのですが、高さとパワーのあるチームにやはり打ち負けてしまうことが公式戦で明らかになってから、すなわち、昨年のワールドカップではその戦術よりも伝統の守りとスピードを重視した安定的なバレーボールを志向し始めたように思います。

それでも、高さとパワーに対抗できる攻撃陣の模索を続けてきたようですが、そう古賀選手はOQTの序盤戦に出場していました。
やはり原点回帰=守備の重視を固めていったのだと思います。

そして、安定化戦術に関しては、ロンドン五輪後に引退し、出産を経験した荒木選手を復帰させたことでも証明できます。
これは何よりも前回銅メダルメンバーであり、数々の大舞台を経験した=経験値を重視したからに他なりません。

それは、ポイントゲッターに専念しなくてはならないキャプテン木村選手にとっても前キャプテンの荒木選手の存在は、リーダーシップ面で大変大きな助けとなると踏んだと言えます。
彼女の加入がよりチームの安定化に繋がると判断したのだと思います。

◎拾って拾って、拾いまくる。
ですから、OQT後の強化合宿では、男子のVプレミアリーグの選手を何人も招集して、男子の一流のスピードボールを何本も何本もディグする練習を断行したそうです。
とにかく、パワーと高さ(の攻撃、ブロック)に優れた上位チームに対応するには、新しい戦術でリスクを取るよりも、伝統回帰で安定性を確保しなければなりません。

◎「パワー/高さ」VS「守備/安定」
さあ、どこまでこの戦術が通用するか?
ほんとうに本番が楽しみです。

ここで、復習です。グリープ分けについて。
A組、開催国ブラジル、ロシア(ヨーロッパ)、日本(アジア予選)、韓国(五輪最終予選)、アルゼンチン(南米)、カメルーン(アフリカ)
B組 アメリカ(北中米)、中国(ワールドカップ)、セルビア(ワールドカップ)、イタリア(五輪最終)、オランダ(五輪最終予選)、プエルトリコ(五輪最終予選)
※6チームずつ2組の上位4チームが決勝トーナメントに進むことになります。

中々よい日程となっているようです。
序盤2戦を上手く乗り越えて、その勢いをもってブラジル、ロシア戦に臨む、そしてアルゼンチン戦でしめくくる。
とにかく、初戦の韓国戦が鍵を握っている事は間違いありません。
「世紀の一戦がここにある!」と思います。

(さて、今週24日のIOC:国際オリンピック委員会がロシアの陸上選手のドーピング問題を受けて、全競技に対してもどういう裁定を下すかが注目されます。
もしロシアが五輪参加できないとなるとその代替はどうなるのか?など日本にも大きな影響がでることは間違いありません。
動向を見守るしかありませんが、誰が相手でも、拾って、拾うんだ!は変わらない目標ですね。)

【編集後記】
声の効用(先々週からの続き)⇒
もう一つ忘れている声の効用があります。
それは、シャウティング効果(shouting=英:叫び声、大声)と言われるもの。

大きな力を発揮したい時にこの「シャウト」を使う=声を出すと力の出力が何%か上がるという現象です。
では、なぜ大声を出す(シャウト=叫ぶ)ことで力は発揮されるのでしょうか?

なぜなら、声を発することによって自律神経の交感神経が刺激され、アドレナリンが分泌されるからです。
(陸上のハンマー投げ等の選手などが、声を出して気合を入れる等も同義です。)

「一気に息を吐く」
「大声を出して、息を吐く」
ようにするとシャウティング効果が発動されます。

※アドレナリン:闘争ホルモン。血圧を上げ、心拍数を高くし(心拍は速め)、筋肉の血管を拡げてそして集中力を高める効果があり、
闘争をする準備で身体を興奮させる作用があります。

声の効用、用い方を今一度考えてみては、どうでしょうか?

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