暑い夏を乗り切るアイデア

練習メニュー


こんにちは!

今回は、この残暑の中の話題として、
暑い夏を乗り切る、今までの長い経験から
得た知識・アイデア(コーチ・指導者の方々向け)で、
これは、というものをご紹介したいと思います。

まずは、極めつけの一策。

「猛暑、気温32℃に達したら練習しない」

これは、大原則だと思います。
筆者は、北アフリカのチュニジアという国で指導をした
経験がありますが、やはり夏は大変暑くなる地域でした。

サハラ砂漠からの熱風が一段とそれを押し上げるところです。
一度50℃近くまで上がったと、地元チュニジアの人々が
口ぐちに話していた暑さを経験しています。ヒート・アタック
(熱の攻撃=熱中症)そのものだった記憶があります。

そんな時のそこに住んでいる人々の知恵は、
「暑い時は何もしない」です。

大概の人々は、日中の一番暑い時間帯は仕事などそっちのけで、
家の木枠のシャッターを締め切り、横になって寝ています。
そうすると日本と違い湿気の少ない当地では、日差しが
直接入らない家の中、木陰などは結構涼しいのです。

そうして体力を温存します。
そして、夕方気温が低くなってから活動を再開する。
向こうのバレーボールクラブは通常から18:00とか夕食後に
始まることが多いので、すでに日差しは射しておらず、
直射日光による暑さはありません。

その当時は屋外コートが多かったせいもあり、日中の太陽が
ギラギラ輝いて、気温が高い時には、バレーボールなど
できるかという判断に繋がっていたと思います。
今はビーチバレーボールが普及して、そのような状況でも
活動すべきという状況は変化はしていますが。

さて、話を戻して、ここから得た教訓で、日本に帰国して
私がチームを持ったときに実施したのは、

「日中の一番暑い時間帯に練習をしない」ことでした。

日本は、暑さに加えて湿度が高く、日陰にいっても
体感温度があまり変わらない。これはある意味気温が
日本より高い、チュニジアの気候よりも過酷です。

暑さに対して休める場所が少ないことになります。
冷房が完備していれば良いでしょうが、施設が
整っていなかったり、それがあったとしても予算の
問題で十分に活用できない事情もありますよね!

そこで、実業団のチームの場合でかなり体育館など
自由に施設を使えるという状況がありましたが、
早朝練習(5:00-7:00)を実施しました。

その後、午前中は会社勤務して、午後の練習は
通常は13:00頃から開始するのですが、18:00頃から
1時間程度で終えるという、高温時間帯を避けて、
練習時間を分散する方法を取りました。

このやり方は、後年地元の高校生を指導・コーチ
したときも、夏休み中なるべく通常授業における
朝練の時間帯に出来るように顧問の先生に
お願いして実施したものでした。

猛暑、高温時間帯を避ける工夫も必要だと思います。
夏の暑さに勝てずに、試合に勝てるか、という論理も
よく理解できますが、それも限度があります。
人間という生体が活動出来る範囲内で有効なのでは
ないでしょうか。

「選手・生徒は、自ら判断して水を飲む」

それからその時に同時に実施したのが、自分なりの
スペシャルドリンクを工夫しておくように勧めたことです。
自ら暑い夏を乗り切る工夫をすること。やはり、選手(生徒)
の自主性、意欲がこの部分についても大切であると思っています。

しっかりと暑さに対する知識を自ら付けて、実践できる選手は、
やはりパフォーマンスも高くなります。自分の実力を最大限に
発揮しようとすることは技術面でも体調管理面においても
大変重要なよい選手としての資質となります。

そして、練習中の給水については監督・コーチがその時間を
設定、指示するのではなく、自ら判断して、

「のどの渇きが起こる前に給水する」ようにしました。

これは当時のトレーナーとの話合いの中で決めたものです。
かれこれ20年も前の事になりますが、今に至ってもこの考え方は
間違いがないところです。自分で判断して、タイムリーに実践する。

決して、「(この練習の出来が悪いから」水を飲ませない」
「暑さでダレた練習をしているから水なし」などの罰としての
道具にしてはなりません。練習のやる気の触発=気合いを入れる、
については、他の方法によるべきだと考えます。

「ウォームアップなし、コートに入ったら集中度100%で開始」

これはどういうことかと言うと、夏の暑いときにストレッチ
(特にスタティック系:動きのあまり伴わないもの)を長時間行うと、
暑さに体が負けてしまい、気持ちが萎えて、動きが抑制されます。
(これは基本的に生体反応として合っています。)

しかし、どうしてもこのような状況で、練習を実施して、その効果を
求めなければならないときには、私は、ウォームアップを抜きました。
すでに気温30℃に達していれば、筋温(筋肉の温度)はかなり上昇しており、
冬の(筋肉が)かじかむような、激しい運動に不適切な筋肉の硬さ、
こわばりはありません。

ただし、必要なのは気持ち、要は、暑さにあてられ、ダレてしまって、
集中力が出ないことです。そこで、通常行っているウォームアップを
コートでは実施しないで、コートに入る前に体と心(気持ち)を作って、
来るようにしたのです。

「コートでは本番」の状態にしておく。
その時、選手たちはどうしたかというと体育館の玄関でストレッチをして、
軽く体を動かして準備してから体育館のドアを開け、掛け声をかけて、
走ってコートの中に入って来ました。

張り詰めた緊張感を、自ら作り出す努力をしたのです。

「暑いと言ったら罰金」

暑い時に「暑い」と口に出すと、心底暑くって何もできないという
イメージを起こしますよね?「暑い」→「これからの練習大変」
→「早く終わりたい」の心理回路。

 

ですから、「暑い」と口走ったら
罰金100円と定めました。とにかくこの暑い状況の中で、「暑い」
という、ネガティブな言葉を使わずに、集中力を保つために全員で
取り組んだのでした。

※これには余談があって、これは監督・コーチやマネージャーも
例外ではなかったのです。そして、一番罰金をとられたのは
監督であった私だったのです。

「加藤さん、今いいましたよね?」「うっ、まずい」

その罰金は集められて、後日、練習後のアイスクリームに変身したのでした。
(苦笑)

夏の暑い盛りに長時間練習は厳禁です。長くても1時間半が限度。
その中に、いくらか休憩を入れてもです。練習のメニューも通常より
時間を短く、5分程度で切り替えて行き、なるべく選手の気持ちを
マンネリさせないようにすること、集中力を維持することに力を注ぎます。
(新しい練習はなるべく避けました。その動きを習得するまでに
時間がかかること。なかなか出来ないと選手に達成感が得られないからです。
せっかく暑く練習には適さない過酷な状況で行うのですから、練習後に
「よくできた」などの満足感があることが、明日への活力になります。)

そして、異常に汗をかく選手や顔色、言動が通常とことなる選手には
目を光らせておかなければなりません。少しでも異常を察知したら
ただちに練習をやめ、様子を見て、その後の処置をしなければなりません。

充分な水分、栄養補給、休養と睡眠のバランスが整っていること。
それがうまくかみ合うようにプランを立ててみて下さい。
この暑さを乗り切れば、自信も体力も技術も身につけられますから。

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