セッター論 その4

加藤 敦志 講師一覧

「両手に生卵を軽く握り、双眼鏡のように親指と人差し指で輪かを
作ったような形で左手の双眼鏡から右目で覗いて何かを見ている感じ。
生卵(手の)フォームの実用性」。

「(トスをどこに上げるか)敵に悟られないことが重要」。

だから、ボールをキャッチ&リリース(つかんで-すぐ-離す)
前に手のひらが天井に向いてしますこの相談者のセッターさんに、
ボールの方向を指し示す手のひら(オーバーパスアクションにおいて)は
なるべく敵に見せないようにするべきで、よく観られる手のひらを開くより、
卵むすびの手の形(フォーム)がいいよ!とセッターさんに説いたのでした。
ここまで来て、上手くなりたいと言っていた、セッターさん。
急に顔が曇ってきました。ここまで納得していると返事していたのだけど、
何が起こったのでしょう??
こういう風に教わって来たのです!

と唐突に一言。、、、、えっ?
ちょっと待てよ。上手になりたいことあるのだけれどフォームを
いじってではなく、そのままのフォームでトスを安定させたいのか?!
漸くこちらも気付きました。
そうです、彼女は自分の技術に自信を持っていた。
だからフォームの改善をする必要性を感じていなかった。
今のフォームで安定したトスを上げることのみを欲しているのだった。

しまった!私の思いと彼女の思いが一致していなかった。
そこが私と彼女(コーチと選手)の大きなボタンの掛け違いでした。

申し訳ない。
そこからはフォームというより、地面とそこを下半身でキックして
得られる力を右足に伝え、そこから上半身(特に右側)から腕、肘、
手首を通じてボールに正しい方向で飛ばすように、そして、何回々々も
練習して、よいトスの時のイメージを忘れずに。そして次からは
そのイメージを再現するようにしたらいいよと伝えたのでした。
しかし、はてさて、いくらやってもコーチング・指導に終わりや
完成はありません。常に勉強が必要なことをこちらも痛感しました。
この6月のインターハイ長野予選では、そのセッターさんのチーム、
目標の県ベスト8の目標は達せられなかったと顧問の先生から連絡が来ました。
しかし、真摯に自分のトスを向上させようと自ら学習し、積極的に知識を
得るように取り組んだ日々はきっとかけがえのない貴重な一瞬、時間であり、
これからの人生にとっても大きな原動力、取っ掛かりとなると信じています。
積極的に自分の課題に取り組むこと。それをずっとずっと続けて欲しい。
高校バレーは終わったかもしれませんが、人生のセットアップは
まだまだ続きますから!

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