チーム作りに必要なゲームモデルの考え方

その他

東京オリンピックが閉幕した今日でも、男子バレーボール界では西田有志選手、関田誠大選手の海外移籍と話題がつきませんね。

その中で、海外移籍の経験もある「柳田将洋選手」の過去の記事を見返していました。

過去の記事の中で、大変興味深いことを言っていました。

「もっとバレーボールを知る必要がある」

この言葉は、これからバレーボールのチームをつくる上で、とても重要な考え方となります。

「バレーボールとは何か?」

この質問の答えを追求していく過程が、チームづくりの過程とイコールになると私は考えます。

それがどういうことなのか、数回に分けて述べていきますので、是非ともご参考にしてみてください!

ゲームモデルとは「試合設計」「試合模型」をつくることである

今回、このような記事を執筆した背景には、柳田将洋選手のインタビューの他に、「サッカー」とは何か(林舞輝/ソル・メディア)という本を並行して読んでいたからです。

サッカーとは何か?、バレーボールとは何か?

この答えを追求していくことが、チームづくりの過程となっていくのですが、そこにすぐにはたどり着きませんよね。

本書では「戦術的ピリオダイゼーション」の考え方が順に述べられています。

「ゲームモデルとは何か?」

それは、チーム内での共通の設計図であり、「共通の地図」をつくることです。

チーム全員が同じように、試合の中で起きる状況を認識し、同じようにその状況を解決する筋道を見つけて、同じようにプレーすることができるようにすることです。

例えば、スパイクの際に3枚ブロックでつかれた際に、スパイカーは「ブロックに当ててリバウンドを取る」ことを考えても、他選手は「ブロックアウトで1点取ってくれるだろう」と、ブロックフォローができていないことがあります。

それは、チーム内で「相手が3枚ブロックできた時」のゲームモデルが十分に考えられていないということです。

「ゲームモデル」とは「やりたいバレーボール」とは違う

ゲームモデルを考える際に注意しなければならないことは、

  • 「ゲームモデル」=「自分たちのバレーボール」「監督がやりたいバレーボール」

ではないということです。

「ゲームモデル」と「自分たちのやりたいバレーボール」「監督がやりたいバレーボール」の違いを一言でいうならば「現実と理想の差」です。

しかし、「やりたいバレーボール」を考えることも必要です。

「プレーイング・アイデア」(やりたいバレーボール)はそのチームの骨格となります。

ただ、骨格だけでは試合には挑めませんよね。

チーム内の既存の選手を見ずに、監督の理想を選手に一方的に押し付けても上手くはいきません。

その点は十分に理解しておく必要があります。

  • ゲームモデルを考え方は「マイホーム」を建てるときと同じ

ゲームモデルの考え方は「マイホーム」を建てるときに考えるポイントと同じようなものです。

  • どんな家に住みたいのか
  • どこに住むのか
  • 誰と住むのか
  • 家の間取りはどうするのか
  • 家を建てる目的はなにか
  • 予算・環境はどうするのか

大抵の人が、家を建てる際に考える内容だと思います。

これをそっくりバレーボールのゲームモデルに当てはめてみると、

  • どんなバレーボールをしたいのか(プレーイング・アイデア)
  • 地域性の問題

スポーツの盛んな地域・学校なのか、部活動かクラブチームかなど、その地域・学校・チームには独自の文化や歴史があることを理解すること。

  • 構成要素としての選手

一緒に戦う選手によってゲームモデルを変える必要がある。どんなクオリティーで、どんなタイプの選手がいるのか考慮すること。

  • システムフォーメーション

例えば2セッターのフォーメーションにするなど、システムやポジションを決めることが必要です。勿論、どのようなタイプの選手が揃っているのかで考える必要がある。

  • チームの目標

大会の優勝を目指すのか、初戦突破を目指す、勝ち負けではなくバレーボールを楽しむことだけが目的など、目標を定めること。

  • 予算、環境など

予算面は学校であれば公立なのか私立なのか、遠征や遠方での練習試合が組めるのか。

環境であれば体育館の規模、フルコートで使えるのか半面のみの使用かなどで、練習や試合の環境を考慮する必要がある。

基本として、上記の項目をしっかり考慮して「ゲームモデル」を考える必要があります。

言い換えれば、どれだけ「現実」を知ることができるか、理解することができるかがポイントとなります。

まとめ

今回はゲームモデルの考え方のポイントを見ていきました。

ポイントになるのは、

  • ゲームモデルとはチームの設計図、共通の地図となる
  • ゲームモデルとは「やりたいバレーボール」とは異なる
  • どんなチーム、どのような歴史のあるチームなのか
  • メンバーはどのような選手なのか
  • どのようなフォーメーションができるのか
  • 目標は何か

ゲームモデルは理想だけでなく、チームの現実を見て実現できるバレーボールでなければなりません。

この点を監督や選手のみならず、チームの関係者、選手の保護者と共有できているかが、チームづくりの良し悪しに関係してきます。

硬く考えずに、関係者の皆さんとコミュニケーションを楽しみながら、チームの「ゲームモデル」を築いていってくださいね!

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この記事を書いた人堀 大輔堀 大輔
長崎県出身で、現在は京都市在住。子供3人の父親。中学校から友人たちとバレーボール部に入部。ポジションはセッター。高校時代所属バレーボール部は長崎県ベスト4他、九州大会出場2回、九州大会準優勝1回と実績を残すが、私自身はベンチメンバーでした。部員人数も少なく、オールラウンドとして控え要員とともにマネージャー的な存在でもあり、また他チームの選手分析および戦術分析など経験。その経験から得たことや皆さんに役立つバレーボール情報を提供してききたいです。また現在はママさん方とバレーボールを楽しんでおり、子供から大人の方々まで「バレーボールは楽しいスポーツ」であると伝えていきたいです。
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