バレーボールでデータが活用される理由とは?
データバレーの進化
全日本代表の試合やVリーグの試合では、「アナリスト」というデータ分析屋がいて、データを収集・分析して効果的な戦術をチームが取れるよう支援しています。
一見すると、データバレーは非常に高度な技術を駆使しており、取っつきにくいイメージがあることでしょう。
しかし、実際に用いられている指標を見てみると、割と簡単に算出することができることがわかります。
そこで、今回はバレーボールにおいて用いられているデータ指標やその意味について、ご紹介していきたいと思います。
攻撃におけるデータ指標
攻撃において、主に用いられる指標は
- アタック決定率
- アタック効果率
の2種類です。
ここで、それぞれの指標の計算方法について、見てみましょう。
- アタック決定率:アタックによる得点÷打数×100(%)
- アタック効果率:(アタックによる得点-アタックによる失点)÷打数×100(%)
パッと見ると似ている指標ですが、ご覧の通り両者の違いはアタックによる失点を考慮しているか否かです。
そして、同じプレーヤーにおいてこの両者の値がかけ離れていく傾向にある場合は、アタックによる失点が絡んでいることを意味し、次の可能性が考えられます。
要因
- スパイカーがブロックの強力な選手に捕まっている
- スパイカーのワンタッチ、プッシュアウト狙いが読まれている
- チームのサーブレシーブが乱されている
対策
- スパイクコースを変更したり、ブロックの弱い選手へワンタッチ狙いのスパイクにシフトチェンジしていく。
- フェイントや2アタックを効果的に織り交ぜ、攻撃リズムを変化させる。
- 相手のサーブに合わせたサーブレシーブのフォーメーションを工夫し、Aカット数を増やし、攻撃のバリエーションを増す。
アタック決定率は50%以上が理想
バレーボールにおいて、よく「アタック決定率50%以上であると、その選手は一流あるいは調子がいい」というフレーズは、何となくよく聞かれるかと思います。
ですが、もう少し深堀して「なぜ50%以上なのか?」という理由が説明されていることは少ないと思いますので、ここで考えてみたいと思います。
一つの理由として、サイドアウト制のバレーボールは「攻撃側(サービス側)に圧倒的に有利」なスポーツであるということが考えられます。
今日のプレー高速化や複雑化が進んだバレーボールでは、サーブも攻撃の一種です。
最近では、ジャンプサーブやジャンプフローターサーブを打つ選手も多くなりました。
その証拠に、守備的なデータ指標であるサブレシーブ成功率(%)の算出方法は次の通りです。
- サーブレシーブ成功率={成功数(優)×100+成功数(良)×50}÷受け数(%)
このように、優とされているAカット以外のレシーブの段階で補正係数0.5が掛かっているのが見て取れます。
これはサーブレシーブが崩されることにより、その時点でスパイクを打つことのできるプレーヤーが限定されるためと考えられます。
そして、こうなるとスパイクコースも想定しやすく、ブロック枚数も増えます。
そんな不利な状況からも、一打数としてスパイクを打たなければならないため、50%という値が一つの指標となっていると考えられます。
このように、レシーブで不利な状況となっても決めきれるのが、真のエースというものです。
逆に、チーム全体としてアタック決定率50%以上を目指すためには、攻撃陣のスパイカーだけでなくレシーバーの能力も重要であることがわかると思います。
Aカットが増えることにより、セッターの出せる攻撃バリエーションが出てきて、ブロックを絞ることも困難になるため、エーススパイカー1人だけでなく、センター線のスパイク決定率も上げることができます。
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