【徹底分析】セッターとはどんなポジションなのか?①
突然ですが、監督から「今日からセッターをやってくれ」と言われたらどう思いますか?
- 自分はアタッカーになりたかった
- スパイクを打てるポジションがいい
- トスを上げるのが苦手
と言われる方が多いのかと思いますが、その中でも一番多いのかなと思うのが、
- セッターって目立たない
こう思う方は、特に多いのかと思います。
バレーボールにおいて、目立つ・目立たないは関係ないことなのですが、直感的にそう思ってしまうポジションが「セッター」なのではないかと思います。
そもそもセッターってどんなポジションなのか、考え直してみませんか?
そして、一人でも多くの方にセッターの楽しさを知ってもらえると嬉しいです。
セッターとは「チームの司令塔」である
セッターとは、チームの司令塔である。
よく言われることで、本当にその通り。
チームの攻撃を組み立てる大事な司令塔なのです。
しかし、
- サッカーでいう攻撃型MF
- バスケットボールでいうポイントガード
- 野球でいうキャッチャー(場合によってはピッチャー)
と比較すると、目立たない印象が強いですよね。
何故なのでしょう?
- 得点を取らないから?
- ただスパイカーにトスを上げているだけだから?
そう考えると、不思議なポジションですね。
ただし、セッターというポジションは、試合の中で一番ボールを触るポジションです。
一見当たり前のようにみられる「スパイカーにトスを上げるプレー」ですが、果たしてトスを上げるというプレーは全員ができるプレーなのでしょうか?
セッターの上げるトスは誰よりも愛情がこもっている
以前、Vリーグを観戦した際に、とても凄いスパイクを打つプレーヤーが二段トスを上げる際に、ダブルドリブルを取られていました。
その後、他のプレーヤーにも伝染したのか、二段トスを上げる選手がオーバーハンドパスをできるプレーなのにアンダーハンドパスで二段トスを上げてしまい、結果ネットから大きくブレたトスとなって、スパイクが打てず試合終了となっていました。
プロの選手でもそうなのです。
誰でもスパイカーが打てるトスを、上げることができないのです。
それは、。セッターにしかできないプレーなのです。
セッターとは、スパイカーが「今打ちたい!」と思っている瞬間に、そのプレーヤーにトスを上げることができるのです。
しかも丁寧なトスを。
よく言われるのが、昔の全日本セッターの故・猫田選手。
どんなに回転のかかったレシーブが返ってきても、猫田選手のタッチでボールの縫い目がわかるくらい、スパイカーに優しさが伝わるボールとなっていたことです。
実は、セッターのプレーはすべての得点に絡んでいるのです。
サッカーのような、スルーパスなどは必要ないのです。
- どれだけスパイカーが気持ちよくスパイクが打てるボールを上げるのか
これが、セッターの醍醐味と言っても過言ではありません。
セッターにも色々なタイプがある
セッターと一言で言っても、様々なタイプがあるのです。
- 丁寧にトスを上げるセッター
- 2アタックが得意なセッター
- トリッキーなトスで相手を振り回すセッター
- ブロックがすごいセッター
- 2セッターでスパイクも打てるセッター
挙げていけばキリがないほど、様々なタイプのセッターがいます。
以前、全日本男子でセッターだった朝長選手(現・大村工業監督)も、中学校時代は2セッターで前衛の時には強烈なスパイクを打っていました。
その後、大村工業に進学後、セッターに専念していました。
中学高時代はスパイカーということもあり、自分で取れる時は2アタックをやってきそうですが、そのようなプレーは見たことはありません。
丁寧なトスをスパイカーに上げている印象だったのですが、実はとても攻撃的なトスを上げている印象でした。
前述しましたが、「今スパイクを打ちたい!」と思っているプレーヤーにドンピシャでトスを上げていました。
自身もスパイカー経験者なので、打ちたいタイミングが手に取るようにわかるのでしょう。
そうすると、スパイカーは気分が乗ってきます。
そう、完全に当時の大村工業の試合は、朝長選手が試合を支配していました。
試合を支配するという点では、やはりチームの「司令塔」であり、スパイカーが気持ちよくスパイクを打てるという点では、トスを通じてスパイカーに「愛情」を届けているのですね。
まとめ
最初、誰もが顔をしかめてしまう「セッター」というポジション。
どんなポジションなのかまとめますと、
- セッターとはチームの司令塔。
- セッターのプレーには誰よりも愛情がこもっている。
- トスを上げるだけではなく、色々なタイプのセッターがいる。
- チームの司令塔であり、愛情のこもったトスが、試合を支配するプレーヤーとなる。
セッターとは、本当に奥の深いポジションです。
トスを上げるだけでは、務まらないポジションなのです。
セッターを通じて、よりバレーボールを楽しめる人が増えるよう、次回もセッターの醍醐味を伝えていきますね!
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長崎県出身で、現在は京都市在住。子供3人の父親。中学校から友人たちとバレーボール部に入部。ポジションはセッター。高校時代所属バレーボール部は長崎県ベスト4他、九州大会出場2回、九州大会準優勝1回と実績を残すが、私自身はベンチメンバーでした。部員人数も少なく、オールラウンドとして控え要員とともにマネージャー的な存在でもあり、また他チームの選手分析および戦術分析など経験。その経験から得たことや皆さんに役立つバレーボール情報を提供してききたいです。また現在はママさん方とバレーボールを楽しんでおり、子供から大人の方々まで「バレーボールは楽しいスポーツ」であると伝えていきたいです。
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