トータルディフェンス力を上げるには、スパイクコースを予測する!?
バレーボールを数字で科学するシリーズ
バレーボールにおいて有利に試合を展開するには、サーブレシーブから確実にサイドアウトを取るとともに、いかにしてブレイクポイントを獲得するかがポイントとなってきます。
前回の記事でも、連続失点の多さが試合での勝率に大きく影響してくることをご紹介させていただきました。
そこで重要となってくるのが、ブレイクポイントにつなげるレシーブ、すなわち守備力です。
相手の打ってくるスパイクに対して、コースを予測してブロックおよびフロアディフェンスを効果的にできれば、返球率も上がりブレイクポイントにつながります。
そこで、今回はアタックコースの予測に関する論文から、アタッカーの分類やそのスパイクの特徴について、ご紹介したいと思います。
アタッカータイプの分類
湯澤芳貴・古瀬由佳の「バレーボールにおけるアタックコースの予測に関する研究」では、アタッカーのタイプを次の3種類に分類し、そのスパイクの特徴を掴み、効果的な守備陣形の編成へ活かす研究を行っています。
- 高さ重視型:高打点を武器にしたスパイク中心に攻めるタイプ
- パワー重視型:力強いパワーあるスパイクを中心に攻めるタイプ
- バランス型:強打に限らず軟打やブロックアウトを組み合わせて攻めるタイプ
これにより、相手のエーススパイカーやアウトサイドヒッターが、どのタイプの選手かをまず知る必要があります。
アタッカータイプ別のスパイクの特徴
①スパイク位置の違い
初めに、各タイプの相手スパイカーがアタックを打ってくる位置の違いを分析した結果です。
- 高さ重視タイプ:位置をあまり変化させず、ほとんどのスパイクがレフトサイドから
- パワー重視タイプ:相手のブロックマークを極力、避けに行くため積極的に移動
- バランス型:他のタイプにはないライト攻撃が絡んでおり、攻撃に幅を広げる工夫
この結果から、打点の高さに比例してスパイク位置の移動が少なくなる傾向が見て取れます。
これは、高さを移動でカバーするという考えでしょう。
パワー重視タイプは、平行トスやセミアタックでブロックをかわしながらの攻撃を多用し、バランス型はライト攻撃を忘れたタイミングで効果的に織り交ぜてくる特徴があります。
②スパイクの種類の違い
次に、各タイプの相手スパイカーのアタックの種類の違いを分析した結果が次の通りです。
- 高さ重視タイプ:ブロックタッチが少なく、ダイレクト強打が多い
- パワー重視タイプ:他のタイプより、フェイントが多い
- バランス型: ブロックアウトが多く、タッチアウト狙いの攻撃が多い
この結果から、打点の高さに反比例して小細工が多くなる傾向が見て取れます。
高さを技術で補うという考えでしょう。
特に、パワー重視タイプはその特徴からレシーバーが深く守る傾向があるため、フェイントがより効果的になると考えられます。
③スパイクコースの違い
さらに、各タイプの相手スパイカーのアタックのコースの違いを分析した結果を見てみましょう。
- 高さ重視タイプ:高さを活かしたレフト強打攻撃によるコート奥部へ本数が多い
- パワー重視タイプ:レシーバーのコート後方意識を利用した、フェイント攻撃によるコート前方が多い
- バランス型:相手ブロックによるリバウンドが多い
この結果から、相手のスパイカーが高さ重視タイプかパワー重視タイプか否かで、決定率の高いコースが極端に変化することが見て取れます。
ですので、守る側からからすればその見極めがより重要となり、相手に合った適切なディフェンスを敷く必要があります。
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はじめまして。火曜日と担当させていただきます辻 貴大(つじ たかひろ)と申します。出身は千葉県で、県立千葉東高等学校で県立高校ながらベスト8・関東大会出場の経験があります。ポジションはレシーバーで、身長は168cmと体格には恵まれないものの、チームのムードメーカー、レセプションの安定性、小柄ながら最高到達点3m5cmの跳躍力を原動力にレギュラーとして活躍しました。自身の経験も踏まえ、小さいバレーボーラーに勇気を与えられるような魅力的な記事をお届けしていきたいと思います。
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