指導者は今のチームに必要な合宿を考えよう
学校が長期の休みともなると、チームで泊まり込みの合宿という形で、集中して練習する機会があることでしょう。
合宿は集中して練習時間が取れるため、技術的な向上は元より、「同じ釜の飯を食う」というチームの結束力強化という精神的なメリットもあり、重要なものです。
また、一口に合宿と言っても実は、いくつかのタイプがあると個人的な経験から感じています。
そこで今回は、ライターが在籍していた高校の合宿を元に、合宿の効果や意義についてご紹介していきたいと思います。
合宿は大きく分けて、次の2つのタイプに分類できます。
同等のチームが集まり、とにかくセット数をこなす合宿
この合宿は普段から付き合いがあり、練習試合もよく実施するような複数の学校を一ヶ所に集め、学校併設のセミナールームに泊まり込みで実施するものです。
この合宿の最大の特徴は、合宿所併設ということもあり、とにかくセット数を実施することです。
深夜0時まで、1日15セット以上は練習試合をします。
特に、リベロとの交代がないポジションには相当の負荷がかかります。
この合宿は「質より量」を取る合宿と言えましょう。
【得られる効果】
- とにかく基礎体力がつく
1日15セット以上も実施すれば、否応なしにも体力はつきます。 - エーススパイカー、セッターが育つ
とにかくトスする、とにかく打つの繰り返しとなるため、この2大ポジションの人間を集中的に育てることができます。 - 疲れを意識して練習ができる
どの程度の疲れ状態で、どの程度の再現性を発揮できるかが確認できます。
セット数は限られるが、更に強豪校とやる合宿
この合宿は、自校より更に上位の強豪校へ武者修行に行く合宿です。
高校生の場合だと大学生(ライターの場合、国際武道大学にお世話になりました)、大学生の場合は社会人チームといった具合です。
先方に都合をつけてもらって実施するため、当然、時間も限られ実施できるセット数は少ないです。
その反面、1日の前後半やセット間の間が長く、また宿舎に帰って来ても比較的、時間に余裕があます。
したがって、昼間の試合映像を元にしたチームミーティングやディスカッション等、時間を有効活用する必要があります。
先程、ご紹介した合宿とは、正に真逆で「量より質」の合宿と言えます。
【得られる効果】
- 今の本当の実力がわかる
上位のチームと実施することで、真の実力がわかります。
また、上位チーム相手に勝てなくとも善戦すれば自信にもつながります。 - どうすればレベルアップできるか、対処できるか工夫を考えるきっかけとなる
おそらく、この手の相手だと準決勝などで対戦するチームの実力に匹敵することでしょう。
そこで、初めて強烈なスパイクやサーブに対応していたのでは、それで試合が終わってしまいます。
強烈なサーブのレシーブほどWの陣形を限りなく薄くするなどを実践できる機会になります。 - 自ら考えて行動しようとする
アスリートには、動物的な側面に加えて人間が持つ理性的な側面の両方が求められます。
前者はミスをしたら叱られる、ワンマンが待ってるといった、いわば罰則に対して回避するようなプレーです。
ですが、これでたどり着ける領域には限界があります。
そこで必要なのが、人間だけが持っている理性です。
アスリートが本来持っている野生の本能に自らの頭で考え、行動し、律する理性が加わることで、よりプレーが磨かれます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
これらの合宿の必要性は、チームの成熟度によっても異なります。
例えば、発足したての新チームの場合は比較的、前者が必要であり、また大会に向けたレベルアップの段階では後者が必要となるでしょう。
指導者の方は、適切な時期に最適な内容で集中的に練習機会を与えてあげられるよう、常にチームの成熟度に気を配りながら、効果的な練習機会を組んであげることが重要です。
はじめまして。火曜日と担当させていただきます辻 貴大(つじ たかひろ)と申します。出身は千葉県で、県立千葉東高等学校で県立高校ながらベスト8・関東大会出場の経験があります。ポジションはレシーバーで、身長は168cmと体格には恵まれないものの、チームのムードメーカー、レセプションの安定性、小柄ながら最高到達点3m5cmの跳躍力を原動力にレギュラーとして活躍しました。自身の経験も踏まえ、小さいバレーボーラーに勇気を与えられるような魅力的な記事をお届けしていきたいと思います。
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